映画評論 コレラの時代の愛
洋08-194

「コレラの時代の愛」

2008(平成20)年7月14日鑑賞

監督:マイク・ニューウェル
原作:ガブリエル・ガルシア=マルケス『コレラの時代の愛』(新潮社刊)
フロレンティーノ・アリーサ(電報配達員)/ハビエル・バルデム
フロレンティーノ・アリーサ(10代)/ウナクス・ウガルデ
フェルミーナ・ダーサ(令嬢)/ジョヴァンナ・メッツォジョルノ
フベナル・ウルビーノ(医師、フェルミーナの夫)/ベンジャミン・ブラット
ヒルデブランダ・サンチェス(フェルミーナの友人の女性)/カタリーナ・サンディノ・モレノ
ドン・レオ(カリブ河川運輸会社社長、フロレンティーノの叔父)/ヘクター・エリゾンド
ロタリオ・サーゴット/リーヴ・シュレイバー
トランシト・アリーサ(フロレンティーノの母親)/フェルナンダ・モンテネグロ
サラ・ノリエガ(フロレンティーノが恋した人妻)/ローラ・ハリング
ロレンソ・ダーサ(フェルミーナの父親、ラバ商人)/ジョン・レグイザモ
アメリカ・ヴィクーニャ(フロレンティーノの恋人、学生)/マルセラ・マール
2007年・アメリカ映画・137分
配給/ギャガ・コミュニケーションズ

<一大叙事詩の映画化だが・・・>
チラシによると、この映画は「ノーベル文学賞作家ガルシア=マルケスの代表作『百年の孤独』と肩を並べ、“世界傑作文学100選”に選ばれた名作『コレラの時代の愛』を、マイク・ニューウェル監督が満を持して映画化したもの」。また『コレラの時代の愛』は、「19世紀後半から20世紀にかけ、激化する内戦とコレラの蔓延に揺れるコロンビアを舞台に、半世紀にわたり『待つ』ことで想いを貫いた男の、愛と人生を描く壮大なる物語」。したがって、これは壮大な一大叙事詩を映画化した感動作、と予測したのだが、結果は残念。
「51年9ヶ月と4日、男は待ち続けた」というキーフレーズからわかるように、男フロレンティーノ・アリーサ(ハビエル・バルデム)は、女フェルミーナ・ダーサ(ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)を半世紀以上想い続けるのだが、どうもその設定自体、そしてまた男の想い方自体に違和感が・・・。

<時代は19世紀末>
つい先日、21世紀を迎えたと思っていたが、既にそれから8年。時が経つのは早いものだ。また、6月28日から松田聖子+中島みゆきの異色コンビによる富士フイルムのスキンケア化粧品「ASTALIFT(アスタリフト)」のコマーシャルがオンエアされたが、そこで聖子ちゃんが口ずさむのは中島みゆきの1975年のヒット曲『時代』。
しかして、この映画で提示される「新世紀」とは20世紀のこと。つまり、この映画が描くフロレンティーノとフェルミーナの運命的な出会いは19世紀末という時代状況なのだ。

<舞台はコロンビアのカルタヘナ>
10代のフロレンティーノ(ウナクス・ウガルデ)が今、母親のトランシト(フェルナンダ・モンテネグロ)と共に住んでいるのは、1810年にスペインから独立したコロンビア共和国のカルタヘナというところ。電報を届けた時に一目惚れしてしまったフェルミーナに対してフロレンティーノが届けたラブレターは十分効果があったが、それを父親のロレンソ(ジョン・レグイザモ)に発見されたことによって、フェルミーナは奥地に住む親戚の家に隔離されてしまうことに。つまり、フロレンティーノはしがない電報配達員だったから、宝物のような美人の娘は絶対金持ちに嫁がせると決意していたロレンソが、彼を結婚相手として認めなかったのは当然。
もっとも、19世紀末の電報は、現在の国際通話可能なケータイやメールと同じような「すぐれもの」だったから、その奥地にもフロレンティーノからの電報が届いていたようだ。ちなみに、その奥地に住むフェルミーナと同年代の美女ヒルデブランダ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)の恋愛相手は妻子ある男性ということだったが、さてその行く末は・・・?それも映画の後半に少し紹介されるから、フロレンティーノとフェルミーナの純愛の行方とは別のストーリーとして少しは注目を。

<イタリアの美女が20代から72歳まで>
フロレンティーノが一目見た瞬間に惚れてしまった女性フェルミーナを演ずるのは、私が今回はじめて観た1974年生まれのイタリアの美女ジョヴァンナ・メッツォジョルノ。フロレンティーノからのラブレターによる猛烈なアプローチにクラクラとなったフェルミーナに対する、バルコニーでの結婚の申込みシーンは、まるで『ロミオとジュリエット』を観ているような魅力がいっぱい。しかし、父親の猛反対、フベナル・ウルビーノ医師(ベンジャミン・ブラット)との出会い、ウルビーノからの熱烈な求婚
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