おもにコレステロールを下げるくすり
高脂血症のくすり おもにコレステロールを下げるくすり
虎の門病院内分泌代謝科 大久保 実
コレステロールを下げると死亡率が減る コレステロールが高い場合や中性脂肪が高い状態は、「高脂血症」という病名で呼ばれます。自覚症状はありません。血液検査ではじめてわかるので、定期健診をぜひ受けてください。
コレステロールのうち、いわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いと動脈硬化が進みやすく、狭心症や心筋梗塞といった心臓病にかかりやすくなります。このため、コレステロールが高い人は正常の人より短命であることが知られています。
高脂血症では動脈硬化がおこりやすくなる くすりを飲んで血液中のコレステロールが10%下がると、心臓病が20%減少することが、欧米の疫学調査で10年以上前からわかっています。最近では、コレステロールを下げる効果の強いHMG-CoA還元酵素阻害薬(1)(2)(3)(4)(5)(6)を飲んだ人と飲まなかった人に分けて死亡率を比べると、飲んだ人のほうが2〜3割がた死亡率が下がったことが明らかになりました。言いかえると、コレステロールが高い人はこれを下げることで長生きができるわけです。
(1)Mevalotin 5
メバロチン5mg
(HMG-CoA還元酵素阻害薬) (2)Mevalotin 10
メバロチン10mg
(HMG-CoA還元酵素阻害薬)) (3)Lipovas
リポバス
(HMG-CoA還元酵素阻害薬) (4)
ローコール10mg
(HMG-CoA還元酵素阻害薬) (5)
ローコール20mg
(HMG-CoA還元酵素阻害薬) (6)
ローコール30mg
(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
くすりを飲み始める前に食事と運動を見直すこと コレステロールが高くなっている原因が、食べ過ぎ、肥満、運動不足などの生活習慣にあることがあります。コレステロールが高いといわれたら、まず自分の体重と食生活を見直しましょう。太り過ぎていないか、卵類(タマゴ、タラコほか)などコレステロールの多い食事や、チーズ、トンカツ、揚げものなど脂肪の多いものを毎日のように食べていないかを考えてみましょう。
こうした習慣をなおしてもコレステロールが下がらないとき、はじめてくすりの出番になります。また、生活習慣には問題がなくても、コレステロールが高くなりやすい体質をもつ人がいます。こうした人にもくすりが必要になります。
おもにコレステロールを下げるくすりには3種類ある HMG・CoA還元酵素阻害薬
コレステロールを下げるくすりの代表は、HMG・CoA還元酵素阻害薬という種類のくすりです。青かびから分離された成分がコレステロールを下げる効果があることから開発されたくすりで、細胞のコレステロールをつくる工程で重要な酵素(HMG・CoA還元酵素)のはたらきを抑えます。
その結果、細胞のコレステロールが減り、細胞の外からコレステロールをとり込む反応が活発になります。これは細胞のコレステロールとり込み口に相当するたんぱく質(LDL受容体)が増えるという形で現われます。これが血液中を流れているLDLをとり込むため、コレステロール値が下がってきます。
この種類のくすりは、現在五つが市販されています。いずれも一錠を夕食後に飲みます。コレステロールの合成は昼より夜のほうが活発なので、朝飲むより夕方に飲むほうが効果的です。くすりを飲み始めて1〜2週間後には、血液検査で効果が判定できます。コレステロール値は平均して二〜三割下がります。コレステロールが下がりにくい人は1日2錠に増やすことがあります。
副作用としては、ときに発疹、胃不快感、肝障害があります。まれに筋肉痛や筋脱力がおこることがあります。ひどくなると筋肉が壊れる横紋筋融解症になり腎不全に進むことがあります。この際、血液検査でCPK(クレアチンキナーゼ)が増加するので、CPKを定期的に検査します。
胆汁酸吸着剤(7)
第二のくすりは、胆汁酸吸着剤という種類のくすりです。コレステロールは胆汁酸に代謝されて小腸へ排泄されます。しかし多くはもう一度吸収されます。このくすりは胆汁酸を吸着して、便となってコレステロールの排泄を増やします。そうすると再吸収される胆汁酸が減り、コレステロールから胆汁酸への代謝が増加して、細胞のコレステロールが減ります。
この結果、HMG・CoA還元酵素阻害薬と同じように、コレステロールをとり込む反応が活発になり、血液中のコレステロールが下がります。
食事の前に水に溶かして飲む粉末で、錠剤に比べて少し飲みにくいという人も
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