コレラ
コレラ [流行地] もとはインドのベンガル地方の風土病でその後世界中に感染拡大したものが、0-1血清型の古典型コレラと考えられていますが、1961年インドネシアのセレベス(現スラウェシ)島に端を発したコレラ流行が0-1血清型エルトールコレラで、これが現在も世界中に感染拡大しています。また、1992年インド南部のマドラス(現チェンナイ)で0-139血清型コレラが発生、またたく間にインド亜大陸に感染拡大しました。WHOに報告された世界のコレラ患者総数は、1998年にほぼ30万人で、その後減少がみられ、2004年にほぼ10万人でした。ただし、実数はこれをはるかに上回っていると推測されます。わが国ではコレラ毒素産生性の0-1および0-139血清型コレラのみコレラ菌とされ、年間数十例の患者報告があります。0-1、0-139血清型以外のコレラ毒素産生菌の存在も指摘されていますが、WHOのコレラの症例定義によりコレラの原因菌とはされません。コレラ患者は海外からの輸入症例が多いですが、輸入食品からの感染と考えられる国内発症事例も散見されます。 [感染経路] 汚染された飲食物摂取により発症します。コレラ菌は胃酸により死滅しますが、暴飲暴食や高齢、胃切除、制酸剤服用などは危険因子とされます。 [潜伏期] 数時間から5日間ですが、通常1〜3日間のことが多いです。 [症状] 典型的症例では水様便(米のとぎ汁様)ですが、軽い下痢のみのことが多く、無症状のこともあります。発熱や腹痛を伴うことはほとんどありません。 [治療法] 失われた水分や電解質の補給のため輸液療法が中心となります。経口摂取可能な場合には、ナトリウムや水を効率よく消化管から吸収させるために研究された水に溶かした経口補水塩(ORS)による治療も推奨されます。 [予防等] 下水道の不備な地域での滞在には手洗いの励行や飲食物に対する注意が必要です。現行の不活化コレラワクチンはWHOでは推奨されておりません。
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