リン酸オセルタミビル(タミフル)と突然死、異常行動死との関連に関する考察
リン酸オセルタミビル(タミフル)
と突然死、異常行動死との関連に
関する考察
医薬ビジランス研究所
浜 六郎
【目的】 リン酸オセルタミビル(タミフル)と睡眠中突然死、および、異常行動死との関連を考察する 【方法】 タミフル服用後睡眠中に突然死した幼児4例の文献報告(塩見論文:下図)が発端(下記表1)となり、精神神経系症状例を収集した。 検索情報源は、医中誌、PubMed、当研究所が受けた相談事例、医薬品医療機器総合機構の00-04年度「副作用が疑われる症例」(機構情報) タミフルと精神神経症状(呼吸抑制および異常行動、幻覚など)との因果関係の考察には、新薬承認情報集(製品概要;NAP)、標準的薬理学教科書等の記載情報を用いた。
症例7 当研究所への相談事例中、突然死例
2歳9か月男児。2005.2月 38.3℃。迅速診断でインフルエンザA タミフルドライシロップ1.7g/日(常用量)、ペリアクチン0.2g/日、ムコダイン0.3g/日、アスベリン0.2g/日(いずれも常用量) 午前中は、比較的元気。昼食も食べ、嘔吐、頭痛なし。 1回分内服時、嘔吐や頭痛なし。39.2℃。10分後頃入眠。 服用1.5時間後頃:「頭が痛い」と泣きながら覚醒。抱っこでも泣き止まず。40〜50分抱き続けた後、泣き止み入眠。 服用2時間20分後頃:布団に寝かせ、約10分〜15分毎に観察 服用2時間45分後頃:寝返り。 その約10分後頃、 服用約3時間後頃:体をさわると、ぐにゃぐにゃ。呼吸停止に気づく。 その17分後、救急車到着時心肺停止状態。蘇生しつつ搬送。 さらに12分後 病院到着。心停止状態。挿管、蘇生術で一時心拍再開 翌日病院到着28時間後 死亡。 検査では、AST/ALT/LDH/CK増加(死亡直前にはさらに著明増加)。心停止後の低酸素性多臓器不全の所見と考えられた。
当研究所への相談例中、異常行動死 2例
症例8: 14歳男。前日夕より発熱。当日朝なお高熱あり受診。この時39.4℃。迅速検査でインフルエンザAと診断。薬剤を服用せず昼寝し発汗。37.5度に解熱したが、処方のタミフル1カプセルを服用(初回分、タミフルのみ)。1.5時間後くらいまではビデオを見て、自室で寝た(母確認)。その30分後頃、ベッドで休んでいると思って母親が様子を見に行くと、ベッドにいなかった。 自宅は9階にあり、少し開いている玄関から母親が外を見ると、「人が転落した」という。下に見に行くと、わが子であった。 9階の外付け階段の手すりに、外から手でつかんだ本人の指紋が発見された。手すりをもってぶら下がり、その後に転落したと推定された(9階から転落死)。右肺血気胸、骨盤骨折など出血性ショックで死亡。 症例6: 17歳男。2004年2月 迅速検査でインフルエンザA陰性だがインフルエンザA疑いにて、アマンタジン2錠/日(分2)、抗生物質、アセトアミノフェンなどを服用したが治まらず翌日受診。迅速検査でインフルエンザA陽性。 処方されたオセルタミビル1カプセル服用。1.5時間後頃、気分悪い(嘔気)と訴え。家人が留守の2時間余りの間に、裸足で家を出て雪の中を家のフェンスを越え、空き地を横切り、1.3mのコンクリート塀に登り、3m下の線路の土手に飛び降り、線路を越えて1m程度のガードレールをまたいで国道に出て、走ってきた大型トラックに飛び込み(服用から約3.5時間後)、事故死した(トラック運転手ほかの目撃あり、また、行動のコースは、雪の上の足跡で確認済み)。
突然死、異常行動等症例まとめ
タミフル使用後の突然死・異常行動後の死亡、合計10人 睡眠中の突然死 5人 (文献4、相談1) 呼吸抑制後の突然死 1人 (文献例) 異常行動後の事故死 2人 (相談2)以上表1
上記8例中異常行動死の1例を除き、主治医や報告医は、タミフルとの関連を完全否定し、インフルエンザ脳症あるいは単なる転落事故死としていた。 詳細不明の突然死 2人 (機構情報2) 異常行動(死亡も含む)合計10人(相談死亡例2、機構情報8:表1の参考例)
副作用とは:関連が否定できない有害事象