中古ゲームソフトと頒布権-卒論二稿-
中古ゲームソフトと頒布権
〜ゲームソフトを中古売買することの合法性に関して〜
卒論二稿Edition
新條綺羅
lucifer@mx1.freemail.ne.jp[=>]
http://homepage2.nifty.com/dreirot/[=>]
※初稿から二稿への変更部分は強調文字になっています。(2.3と4に1箇所ずつ)
細かな変更部分には強調をほどこしていません。
2001年7月現在のものです。SCE審決などもふまえた最終版は年末or年度末になります。
目次
1.はじめに[=>]
2.判例研究[=>]
2.1.判例紹介[=>]
2.1.1.東京地裁 H11.5.27[=>]
2.1.2.大阪地裁 H11.10.7[=>]
2.1.3.東京高裁 H13.3.27[=>]
2.1.4.大阪高裁 H13.3.29[=>]
2.2.現在までの判例の経過[=>]
2.3.各判例に対する考察[=>]
3.ゲーム業界の実態[=>]
3.1.主要流通の実態[=>]
3.2.中古販売の実態[=>]
3.3.ユーザーの意見(アンケートより)[=>]
3.4.ゲームソフトの複製について[=>]
3.5.これからの流通[=>]
3.5.1.ゲームのレンタル[=>]
3.5.2.オンライン販売[=>]
3.5.3.オンライン配信[=>]
4.まとめ・私見[=>]
5.参考文献[=>]
1.はじめに[=>]
このほど、 ゲームソフトの中古販売はゲームソフト市場の3割に達しソフトメーカーの利益を圧迫するようになったとして、中古販売の禁止を求める訴訟が2つ行われた。平成11年に下された下級審判決では、大阪と東京の地裁で判断が分かれたが、このほど下された高裁判決においては、双方ともユーザーの側に立った判決が下されている。
この2つの訴訟では、ゲームソフトは著作権法2条3項の「映画の著作物」にあたるのかどうか、あたるとしたら、26条1項の頒布権による保護を受けるのか。さらには頒布権による保護が認められるとした場合、その頒布権は適法に譲渡されたことにより消尽しないのかどうか、という点がそれぞれ問題となっており、この後、最高裁によって審議されることとなる。
「映画の著作物」は頒布権という流通をコントロールする権利を持ち、これは第一譲渡によっても消尽しない。下級審判決ながら昭和59年のパックマン事件などによってゲームの著作物も「映画の著作物」に含めるような判決が下されており、メーカー側はそれを根拠として第一譲渡後の利用、つまり中古販売などにも自らの権利を及ぼそうとしている。これに対し大阪地裁はメーカー側の言い分を認め、東京地裁、東京高裁、大阪高裁は否定する判決を下している。
私はゲームソフトを「映画の著作物」に含めるべきではないと考えている。もちろん消尽しない頒布権も認めるべきではない。ゲームソフトに関しては「ゲームの著作物」とでもいうべきカテゴリをつくって保護すべきではないだろうか。
以下にその事について述べようと思う。まず東京地裁、大阪地裁、東京高裁、大阪高裁の各判例について述べ、次にこれまでの判例の動きを述べた後、今回の判決について法律的な観点から述べる。そしてゲーム業界の実状と将来への展望を資料をもとに紹介した後、私見を述べる。
2.判例研究[=>]
※判例を表にした物。ゲームソフトは「映画の著作物に含まれる」「頒布権を有す」「第一譲渡により消尽する」
2.1.判例紹介[=>]
まず各判例を時系列に沿って紹介する。
また、2つの事件によって下された4つの判決はいずれも次の3点を争点としている。
本件各ゲームソフトは、著作権法に言う「映画の著作物」に該当するか。
本件各ゲームソフトは、「頒布権のある」映画の著作物に該当するか。
映画の著作物に認められる頒布権は、第一譲渡によって消尽するなどの限界があるか。
この各点について4つの判決はどのように判示しているかを見る。
2.1.1.東京地裁 H11.5.27[=>]
この事案では、原告がゲームソフトの販売会社、被告がゲームソフトの製造販売会社である。原告は、被告が適法に販売したゲームソフトをその購入者より買い入れ、中古品として販売していた。
被告は本件各ゲームソフトは映画の著作物に該当し頒布権を有するから無許諾の中古品販売は頒布権侵害であるとして、原告に中古品販売の中止を求め、それに対して、原告が被告を相手方として本件各ゲームソフトの著作権に基づく中古品販売差止請求権の不存在確認を求めたのがこの事案である。
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